効果的なトレーニングの構築とは??

サー・アレックス・ファーガソンに、プレミアリーグでのマンチェスターユナイテッドの成功の秘訣を聞こうとした際に、「我々にとって最も重要な側面はトレーニングである。土曜のゲームで起きていることは、すでにトレーニンググラウンドで起きているからである。」と、言われたことがある。

これには議論の余地はないだろう。どのレベルのトレーニングセッションを見ても、あなたはそのチームの試合から判断するよりもチームのトレーニングから判断できることのほうが多い。何に注意が払われているのか?どれだけ真剣に選手はアプローチしているか?誰が責任を持っているのか?ほとんどすべてのコーチがトレーニングは重要であり、選手全員が大切なものとして受け入れてもらいたいという点では異論ないだろう。しかしながら、どこでチームによって差が出るかというと、「何をセッションで行うか」という点とそれを「どのようにオーガナイズするか」という点だろう。事前準備が試合の勝利において重要であることは明らかである。しかし、コーチが選手との貴重なトレーニング時間を最大化できるように、トレーニング計画に時間と労力を注ぐことも、コーチの重要な役割である。

 

私は、効果的なトレーニングセッションを計画する最初の一歩は、目的とゴールを明確に定義することだと信じている。チームと選手の両方が、コーチが意識している項目やスキルを理解している必要がある。現在では、インターネットでトレーニングメニューを見つけることはそれほど難しいことではないものの、効果的なコーチングでは、テクニカル、フィジカル、戦術、メンタル的な負荷を上げるために必要な挑戦を選手たちに要求している。コーチたちはそれをどのようにして行っているのか? 

一つ目のステップとしては、あなたのチームとしてのスタイルやプレーモデルを持っていることである。プレーモデルとは、コーチング哲学と似ているが、それよりもより実用面を重視して、哲学に影響を与えるような要因を見つけ出して、重要な分野を決定していくようなものである。

プレーモデルを設定する大きな目的は、チームがある期間でどのようになろうとするかを定義づけることである。それは、フォーメーションや戦術ではなく、トレーニングやゲームで採用する原則を含んだものである。例えば、バルセロナのルイスエンリケ監督は、プレーモデルの決定を根本に置いている。「チームがどのような攻撃をして、守備をするのか、そのプレーモデルを決めるのは監督の仕事である。ピッチの中で、チームは効率的でなければならない。」プランやモデルを無くしてしまえば、チームは上昇するための「はしご」がない状態であり、全ての責任を運と言い訳に注ぐしかなくなってしまう。

 

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著書「Pep Confidential(邦題:君にすべてを語ろう)」の中で、グアルディオラのアシスタントコーチであるLorenzo Buenaventura氏は、グアルディオラのプレーモデルとトレーニング方法の一貫性についてコメントしている。「それぞれのセッションの中では、ペップのフットボール哲学が組み込まれている。」

一旦、プレーモデルが確立されると、セッションのプランニングが自ずと決まり、トレーニングの優先順位付けができて、もちろんプレイヤーへの理解を浸透させることも楽になる。セッションが緻密に設計されると、より専門的で試合の分析がプレーに反映させることができる。レベルが高くなればなるほど、ゲームはより複雑になる可能性が高く、したがって、トレーニングはより具体的になる必要がある。例えば、特定のエリアでのポゼッション向上を目的とするトレーニングは、プレーモデルがあることにより、コーチは、どこで、なにを、どんなふうにこのエリアでプレーしてほしいかを示すことができる。それは、どの場面でのポゼッションなのか?ビルドアップの段階なのか?ファイナルサードでのポゼッションなのか? というように。 

また、Pedro Mendonca氏による戦術的ピリオダイゼーションの本の中では、コーチはセッションの中でより具体的に達成したい事柄を明確にするべきだと言及している。「プレイヤーは、全体のゲームの関係との中で、各トレーニングの目的を理解しなければならない。」と言及している。

私は、プレーモデルと一緒にトレーニングセッションを構築する最大の強みの1つとして、プレイヤーに必要となる分野でのトレーニングを与えられることであると考える。例えば、ストライカーにゴール前での思考の負荷を減らして、プレッシャーの中でテクニックを発揮してほしいと考えた場合、プレイヤーをできるだけ、その状況に置かれなければならない。週に1度行うことやウォーミングアップで10分間行うだけで、ゲームの中で改善できる選手はいないのだから。

 

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プレイヤーが実際のゲームで直面する課題を反映したトレーニングとして一貫性を持って行うために、私自身が目標としていることは、セッションの開始から試合の「テンポ」を意識することである。ゆったりとしたトレーニングではミスが減って、楽しいセッションとなるかもしれないが、私は実際の試合でのプレッシャーの中でミスが生じることを望んではいない。そういったことから、私のトレーニングでは2つの心理的要因を持って行っている。それは、「意思決定」と「ミスの管理」である。簡単に言えば、選手たちには問題解決とゲームへの積極的な対応、その中での役割を担ってほしいと考えている。

 

最後に、私は、またトレーニングのインテンシティを重視する3Cの信者でもある。

3Cとは以下の事柄である。

1.Clock(時間)

全てのゲームやセッションは、時間管理される。通常、5分またはそれ以下の時間単位で行われ、時間管理は、あとどれくらいで終えるのかという目安のために管理するのではなく、プレイヤーの思考するチャレンジや刺激を与えるための適切な時間として考えている。もし、エクササイズが長すぎれば、テンポと質は間違いなく落ちていくだろう。

2.Competition(競争)

もし、競争力のあるチームを作りたいと思うなら、日々のトレーニングから勝つ習慣を身につける必要がある。誰もが勝つことへの緊急性や渇望がある場合、プレイヤーはお互いに責任を持ち、ゲームで経験するパフォーマンスでのプレッシャーを再現する機会が生まれることになる。

3.Communication(コミュニケーション)

トレーニングセッションに量と強度がある場合には、テンポはかなり速くなる可能性がある。そうすれば、その熱意を、パフォーマンスにプラスの影響をあたえることができる。例えば、どんなタイプの情報をお互いに送ることができるだろうか?

セッションプランニングは、あなたがピッチに入るときに、チームの成功に非常に重要な要素である。それは、スタッフが準備のプロセスをどれほど尊重して、何を重視しているかをプレイヤーに示すことにもなるので、チームの組織文化の浸透にも重要なインパクトがある。コーチとして、あなたがトレーニングピッチで求めない限り、プレイヤーにインテンシティ、渇望、クオリティを期待することはできない。加えて、選手たちがハードワークすることで、チームが向上することが認識できれば、選手は日々すべてを捧げてコミットするようになるだろう。そして、一貫して厳しいトレーニングをしているチームであれば、週末のゲームでは正しいパフォーマンスを生み出してくれるだろう。(了)

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Tags: コーチングアドバイス  
By: Admin
Posted: 2017年01月09日 17:17

Reference: DESIGNING AN EFFECTIVE TRAINING SESSION

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