活動休止中のオンラインミーティング 第3週

新型コロナウイルス感染症の広がりで活動できないチームも多い育成年代のサッカー、指導者達も今すべきことを探し取り組んでいるのではないでしょうか。ここでは、非常事態宣言の出ているタイから日本人コーチが率いるU14チームのオンラインミーティング第3集の様子を紹介します。

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まず、この週の流れは以下の通りです。

  1. 近況報告(本人と家庭、地元チームなど)
  2. 各選手のビデオプレゼン
  3. 今週の宿題発表
  4. ファンフィットネス勝負

 

1: フットサルコートを使える選手もいる、父親の手伝いで材木を運んでいる選手もいる

まず近況を確認したところ、全選手とその家族が健康に過ごしているとのことでした。過去2週分の情報の蓄積もあり、私にとっても徐々に選手それぞれの家庭での過ごし方がつかめてきています。軒先の幅1m 縦4-5mほどのスペースでしか運動できない子もいれば、家の裏にいつでも使えるフットサルコートがある子もいます。チェンマイのPM2.5の数値はまだ下がらないし、小さな弟妹3人の面倒を見ている選手もいる、そんな姿が見えてきました。

 

そして、実は第1週、第2週とミーティングに参加できなかった選手とも話をすることができました。彼は休校になってすぐ父親の仕事を手伝わないといけない状況になりました。朝6時から夕方まで木材を運んだり、父親や周りの大人のサポートをしたりしているそうです。

もちろんこちらの設定していたお昼前のミーティング時間には参加できません。

 

夜7時30分ごろから動画で久しぶりに見た彼の顔は、少し顔は丸みがかっていましたが、圧倒的にたくましく、そして朗らかに見えました。

早く生活が元に戻りサッカーをしたいと言う姿は他の誰よりも気持ちがこもっていたように感じます。好きな選手の話をしたり、動画を見せてプレーコンセプトを確認している時もとても楽しそうで、スポーツの役割とはもともとこういうことだよなと考えさせられました。

 

彼とは、今後も週1回、夜の時間にミーティングをしていこうときまりました。

 

2: 動画の宿題の意図とコンセプトの理解度

近況報告の後は、先週出していた宿題

『自身の好きなバンコクユナイテッド・ファーストチームプレーヤーの良いプレーを10秒~30秒にしてグループ内でシェアすること」

を使った各選手によるプレゼンを行いました。

 

発表内容は

「誰の何がいいプレーなのか、どこに注目するべきか」

を選手が解説することとしました。

 

正直、何人かの説明のレベルの高さに驚かされました。

特に、ボールに関わる前後を含んでいて、似ているアクションが続く動画は見ただけで説明したいコンセプトが伝わってきます。もちろん理解してそのシーンを切り取っているので、説明も淀みなくできています。

 

興味深いのは、動画のレベルが高い選手の多くが、今シーズンAチームでプレーしているメンバーで、普段から練習前などに確実に動画を見ているグループだったということです。Bチームは(バンコクユナイテッドと提携して選手全員が在籍している)学校チームメンバーとして普段活動しており、動画はあまり使われていない状況です。

また、特に良い発表ができていたのは、現在タイの年代別代表に関わっている選手たちでした。

なかでも、あるMFの選手は、細貝選手の動画に自分で「彼はボールを受ける前に周りを観ていて、状況に応じて長短のパスを使い分ける」という字幕をつけて、解説をしてました。

 

普段からのプレー理解度が高いから代表にも選ばれるのか、それとも年代別代表でさらに動画でのフィードバックやコンセプト説明を受けているからなのか・・・。

いずれにせよ、普段から動画などを使ってロジカルなプレー理解への働きかけがある選手は自身もアウトプットしやすい場合が多いのではないかと思いました。

 

なお、全体的に見ると、単にゴール集を切り取った動画を提出している選手も少なくありませんでした。これでは、ゴールシーンにつながる準備段階が見えず、コンセプトの理解は困難です。

さらに、全員が宿題を期限内に終わらせたわけでもなく、以前の宿題などからも徐々にどんな選手がこういった『黙々とした作業』とも言えるプロセスを苦手としているかも見えてきました。

 

 

3: 宿題は『自分で練習計画を作る』

この週の宿題は、グーグルシートで自身の週間トレーニングを組み立て、記録するということです。

このシートは、事前に作ってあり選手本人+スタッフでシェアしています。

練習項目は以下のようなものです。

 

  • 有酸素運動
  • スピード/アジリティ
  • スポーツ障害予防
  • テクニカル

 

これを、各選手が自分の環境や状況を考慮し1週間のどのタイミングに組み込むかを決めます。頻度やエクササイズ例は第1週目の時点で伝えてあります。

さらに、毎日のアクティベーションや体重測定の項目もあり、各活動が達成できたらチェックを入れるシステムです。

4:  オンラインでフィットネスバトル

ミーティング最後はグループでの対戦型フィットネス勝負でした。

これはそれぞれが順番にエクササイズ方法と勝敗の決め方を伝え、同時にスタートしスタッフがジャッジとして見守ります。

条件としては、キツいレベルの運動であること・・。

 

例えば、グループ内のある選手が

「片足でかかとにお尻がつくまでしゃがみまた立ち上がる を5回!」

「スタート!」

といった形で勝負が始まり、選手同士で争います。

その後、別の選手が

「足上げ腹筋、最後まで続けたら勝ち」

「スタート!」

をまた全員で勝負するという感じですね。

 

活動休止期間も3週目に入り、全員が個々に自主練している状況です。オンラインとはいえ、グループだからこそできる「競争」を選手たちはとても楽しんでいる様子でした。

 

来週は第4週目、彼らの作る週間トレーニングプランの宿題状況を紹介します!

(了)

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Written and edited by Takuro Hosaka

Twitter: @HosakaTakuro

soccercoaching.jp編集者

AFC A級

JFA A級U-12

 

2017年~ タイプレミアリーグクラブ True Bangkok United アカデミー

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Tags: covid-19  オンラインミーティング  
By: Admin
Posted: 2020年05月13日 16:24

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