分析できる選手はハイレベルな選手?【Online Meeting WK6】

非常事態宣言下のタイで活動するタイリーグ下部組織の監督が取り組むオンラインミーティング、第6週目は選手による主観的試合分析と発表を紹介します。

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先週出していた宿題+課題

バルセロナ U14 vs カリアリU14の試合を見て、自ポジションのアクションから『とても良いところ』『改善すべきところ』をグループで話し合い、映像を切り取って発表する。

試合動画のリンク

 

選手による試合分析は『気づき』だらけ

単刀直入に行って、もし現在ジュニアユース年代で選手たち自身でのゲーム分析&発表を取り入れていないチームがあれば、ぜひすぐスタートすることをお勧めします。私は正直このタイミングまで行っていなかったことに後悔しています。

以下にて、今回学んだ気づきの内容を記していきます。(先週の宿題内容とフォーマットに関してはこちらから)

 

✅ がよいプレーでを修正するべきかの基準を理解・確認できる (What)

✅ なぜそのプレーを選択できたのか、できなかったのかを考えることができる (Why)

✅ 誰がいつ、といったディテールを俯瞰した目で見ることができる (Who、When)

✅ どのように修正すべきか、さらに改善できるかをイメージし自身に当てはめてみることができる (How)

✅ 発表する際に、自分の意見を言うこと、フィードバックを受けることの練習ができる (自信、オープンマインド)

✅ 選手個人や指導者個人で持っていたビジョンをチーム内で共有することができる (チーム文化・常識)

 

一つ一つ詳細説明は不要だと思いますが、今回特に伝えたいのは指導者からの分析や発信ではなく、選手による分析と発表の機会の重要性です。

 

指導者=選手とチームのサポート➡️主体は選手

これまで私たちのチームではスタッフ(主に私)からの自試合分析や個々の選手への映像でのフィードバックは行ってきました。しかし、選手自身でビデオ分析をするというのは初めてでした。

今回、ファシリテーターとして、各グループの発表を『見て、聴いて、質問して』というプロセスを経て上記の項目の濃度が上がっていくことを実感しました。

同ポジションの選手同士でゲームを見て、意見を重ね、一つのアクションを選び、発表する。指導者は発表後に、重要なところをリピートしたり、補足が必要なところを質問したり、必要な時には示す。 (こういった指導者の関わり方は実際のトレーニングと全く同じですよね。)それでも、大前提として選手が主体となってプレー解釈を説明する必要があります。それは彼ら自身のフィールドでのアクションに変えていくために、本人たちのフィルターを通してのインプットとアウトプットをしてほしいからです。今回の分析テーマは『良いプレー』『改善するべきプレー』という非常に主観的な内容です。そこには選手自身が気がついていないかもしれないディテールが潜んでいることがあっても、指導者からの否定の余地はありません。

 

見本の映像として使いたいクオリティー

ところで今回の宿題で提出された映像には、何本か今後私も見本として使いたいものがありました。特に良かったのが、サイドバックグループの提出した、左サイドバックの攻撃参加のシーンです。(以下の画像)

⬇️

ボール保持者の状況に合わせて、オーバーラップを仕掛ける➡️後ろでのサポート➡️ボールを受ける➡️横の味方とワンツー、その際に前方にいる相手選手二人のギャップに入り込みパスを受ける➡️ペナルティエリアに侵入➡️フリーな選手へ正確なクロス。

 

この25秒ほどの一連のプレーにこのLBの選手の認知、技術、勇気、落ち着きといった要素が詰まっています。

 

ゲーム分析+発表できる選手=ハイレベルな選手?

それでは、今回ゲーム分析や発表ができたグループ(特にそのリーダー)は他のグループに比べて実際にプレーレベルは高いのでしょうか?

 

今のところ私が言えるのは、

『そうとは言えない、しかしゲーム分析+発表をすることで自身のレベルをあげることはできる』

ということです。

 

よりよい選択肢がわかっていてそれを周りに伝えることができても、それだけでは実際にプレーはできません。テクニック・フィジカル・メンタリティも全て必要なのがサッカーです。なので今回目立っていた選手たちの中にも、試合でレギュラーをとれていない選手もいました。

ただ、試合でレベルの高いパフォーマンスをする選手の多くが、比較的良い映像を提出していたのも確かです。提出された映像にはアクションの前後の大事な部分が含まれていて、『なぜ』『だれ』『いつ』といったところがとても分かりやすくできていました。

そして発表がうまい選手はグランドでもよく指示の声を出すことができています。声を出し意見を言うことを恐れておらず、表現することに慣れているのです。

ですので、分析や発表のレベルが上がれば、ピッチ内での振る舞いがレベルアップすることは確かだと思います。

 

次のステップはもっと『分析』

今回は多くのグループが自身の意図を持って映像を切り取ることができていました。なので次にこういったグループワークをするときは、より分析らしく、それぞれのチームの意図を読み取ることに挑戦させたいと思っています。

【システム】【プレッシングゾーン】【キープレーヤー】【セットプレー時のゾーンとマンマークの設定】などなど、トピックはたくさんあります。こういったキーワードに慣れていくことで、活動再開後に、自分たちの試合のハーフタイムでも同じツールを使って話し合えるようになるのではないでしょうか。

最後に

〜活動開始後には『できない理由』を見つけてしまうかもしれない〜

正直いって、今オンラインでしていることは全て活動休止前からできていることです。ですがこういった事態になるまでは、考えが及ばず実行していませんでした。

私はたまたま【オンラインでしか繋がれない】時期に、アシスタントコーチのアドバイスから、選手による映像分析と発表を始めてみました。なのでもし活動再開するまでに試していなければ実行しなかったことでしょう。

普段の忙しさにかまけて『できない理由』を見つけていたと思います。

 

今回もしこれを読んでいただいている方のチームで、選手自身による試合分析に興味がある、という方はすぐにでもスタートするべきです。今、健康に問題がなく、使える時間がいつもよりもあるのであれば、ぜひ試してほしいです。きっとスタッフ陣を含めたチーム全員が進化を感じられるとおもいますよ。

 

それでは次週はまた別のトピックで。

参考にしてもらえると嬉しいです。

(了)

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Written and edited by Takuro Hosaka

Twitter: @HosakaTakuro

soccercoaching.jp編集者

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2017年~ タイプレミアリーグクラブ True Bangkok United アカデミー

Tags: covid-19  オンラインミーティング  
By: Admin
Posted: 2020年05月05日 15:34

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