チーム内で特別扱いはあり? (Online Meeting WK7)

もし、あなたのチームである二人だけ周りよりも飛び抜けて努力する姿をみせていたらどのように対応しますか? グループの中で褒めますか❓ 他の選手へ彼らを見習うように伝えますか❓ 何も言いませんか❓

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実は、ここ数週間、私たちーのチームのある二選手のタスクレスポンスや取り組む姿勢が他の選手たちを圧倒しています。

一人はTというセンターバックでプレーすることが多い選手です。彼は第5週の記事で紹介した『自分で考えた練習を行い動画撮影して提出』を以降も毎週難易度を上げ、新しいバリエーションにチャレンジして動画を送ってきています。

 

もう一人はN選手でストライカーや左ウイングで主にプレーしています。彼は第4週に載せた週間スケジュール+記録シートに自主トレ内容を誰よりも詳細に記録し、宿題は早々に全力で終わらせます。さらに、グループワークではリーダーとして周りをサポートしていました。

 

彼らだけ特別ミーティング

今回、スタッフ間で相談した結果、彼ら二人のみ普段のグループミーティングに加え、毎週さらに特別ミーティングを行うこととしました。

そのミーティングでは、彼らの姿勢をスタッフがとてもポジティブに感じていること、そして特別にもっと多くの時間をとってサポートしたいことを伝えました。その上で新たなトレーニング課題を薦めました。

その時にみせた2つの動画のリンクと薦めた背景をこちらに載せておきます。

 

T選手用⬇️

アトレチコマドリードの守備TR

https://www.youtube.com/watch?v=XKFkWInsyAc

このトレーニングを薦めた理由:

✅似たようなエクササイズを自分で考えて行っていた

✅彼はいつでもフットサルコートを使える、ミニゴールもある

✅家族や友達が手伝ってくれる

 

N選手用⬇️

フィットネスのスペシャリストコーチJames Smiths氏のアジリティTR

https://twitter.com/i/status/1243676908195364871

このトレーニングを薦めた理由:

✅使える場所はコンクリートの駐車場で用具はブロックのようなものが6個とボール

✅彼は鎖骨骨折のリハビリ中で、転倒や交錯のリスクは負えない

✅チーム活動中から、彼のレベルアップのためには、『状況を見て動きを変える』という要素が必要と感じていた

 

特別扱いの必要性

基本的に選手には公平に機会を与える必要があります。そして特定の選手を特別扱いするとチームを壊すことにつながります。

しかし、個々の成長と健全な競争のためには私はこういった対応も時には必要だと思っています。例えば以下のような条件が満たされていれば、『より個人に特化した特別扱い』を積極的に行っています。

⭕️ある選手が指導者からの明確な導きによって、大きな成長を遂げることを確信できた時

⭕️周りの選手にも同様の機会があり、彼らのモチベーションになる場合

N選手とT選手は上記の両方に当てはまっています。ですので、熱量が高い二人を組ませて『さらに熱い』環境を作り、そこに準備ができた選手たちを取り込んでいく形にしたのです。

 

チームの成長と個人の育成、どちらが大事?

何年も前に、その当時の所属先のテクニカルダイレクター(TD)がスタッフ会議である質問を投げかけました。

「我々の仕事は、チームをレベルアップさせることですか?それとも個々の選手を育てることですか?」

その時は各コーチがそれぞれのチーム(U-8からU-15)を任されていて、皆チーム運営に取り組み、忙しくしていたころでした。私の気持ちとしては、「チームと個人両方を伸ばす」そのためにお互いを刺激し合いながらバランスのよい運営と指導をする。そう思っていました。

しかし、TDが言ったのは、「私たちの役目は究極的には個人のサポートだ。チームのために選手を犠牲にはできない。」ということでした。

その当時とは立場が変わり、より経験も積み、現在私は多くの場面でその言葉にどうした判断をしています。

もし、私たちが次の全国大会(前回3位、前々回準優勝)で優勝しても、もし選手が育っていないのであれば、やり方は見直され、変更されるでしょう。私たちの仕事とはそういうものなのです。

もちろん、試合内容や結果のせいで選手がついてこなかったり、それ以前に国内トップレベルのジュニア選手が入りたいと思えないチームになってしまったら本末転倒です。

それでも、育成年代の指導者とは、『個々』を育成するためにいると思っています。もっとも大事なのはチームではなくて一人一人の選手です。

そのために、ある時期に特別扱いをすることを私は問題だとは思いません。逆に周りに罰を与えずに上を目指させるためには必要なことだと感じています。

 

Catch When They Are Good (輝いている時を見逃すな)

英語の言い回しで、Catch When They Are Goodというものがあります。

スポーツ指導者や学校教育関係者によく使われる言葉で、選手や子どもたちが失敗したり、うまくいかなかったときにコメントするよりも、いきいきしている瞬間をしっかり認識しフィードバックにつなげよう、ということです。

私はその『輝いている瞬間』を見つけるためにアンテナを張り、選手を観察します。

だからもしある選手が大きな成長のサインを見せていたら、それを見過ごすわけにはいかないのです。

 

最後に

もちろん今回の記事に関しては私の一意見ですし、正しいかどうかもわかりません。会費収入で運営されているクラブやスクールでは数名を特別扱いするのは難しいことと理解しています。あくまでも一つのケーススタディとして参考にしていただけると嬉しいです。

 

それでは、来週は逆足(手)テクニックチャレンジを紹介しますね!

(了)

 

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Written and edited by Takuro Hosaka

Twitter: @HosakaTakuro

soccercoaching.jp編集者

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2017年~ タイプレミアリーグクラブ True Bangkok United アカデミー

Tags: covid-19  オンラインミーティング  
By: Admin
Posted: 2020年05月12日 20:53

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